膝の痛み、湿布・テープの選び方|薬剤師が解説

薬剤師が教える膝の痛み対策、テープ・湿布・受診の目安 運動と健康

運動を始めたばかりの膝の痛みは、湿布や塗り薬でケアしながら、痛む動作を減らして様子を見るのが基本です。私は薬局で、動くときの支えとしてキネシオテープの巻き方もあわせて案内しています。ただし、正座やしゃがみ込みで強く痛む、膝が腫れている、2週間ほどセルフケアを続けても改善しない場合は、整形外科を受診してください。

薬局では、ピックルボールやテニスなど運動を始めたばかりのシニアの方から、膝の痛みの相談をよく受けます。この記事では、キネシオテープの使い方、湿布と塗り薬の選び方、受診のタイミングをまとめます。

運動を始めたばかりの膝が痛くなりやすい理由

ひざのお皿の周りには、太ももの筋肉や腱が集まっています。ふだん運動していない状態から急に体を動かすと、この周辺の筋肉や腱に負担が集中し、痛みとして出やすくなります。

特に、しゃがむ・踏み込む・方向転換するといった動作をくり返すスポーツでは、膝への負担が大きくなります。「準備運動をしたから大丈夫」と思っていても、久しぶりに動かす関節は、思った以上に負担を感じやすいものです。

キネシオテープの使い方

薬局で私がよく案内しているのが、キネシオテープです。伸縮性のあるテープで、皮膚や筋肉を軽く持ち上げるようにサポートします。痛みを治す薬ではありませんが、「動くときの安心感が違う」と言う方が多く、運動を続けたい方の支えとして役立ちます。

  • ひざのお皿の上下に、皮膚を軽く伸ばした状態で貼る
  • 強く引っ張って貼ると血流を妨げるので、「軽く添える」くらいの力加減にする
  • お皿を囲むように、X字やU字に貼る方法もよく使われる
  • 汗をかく運動の前に貼るときは、貼る面をしっかり乾かしてから

初めての方は、貼り方の図がパッケージについている製品を選ぶか、薬局で巻き方を聞いてから試すと失敗しにくいです。

湿布と塗り薬、強さと選び方

湿布や塗り薬は、痛み止めの成分の強さ(濃度)によって効き方が変わります。薬局でお伝えしているのは、次のような考え方です。

  • 軽い痛み・張りがある程度——比較的マイルドな成分の湿布から試す
  • ズキズキと強い痛みがある——効果の強い成分の湿布や塗り薬を選ぶ。市販でも強めの製品はあるが、迷ったら薬剤師に相談を
  • 湿布でかぶれてしまう——同じ成分でも、塗り薬(ジェル・クリームタイプ)に切り替えると、かぶれにくいことがある

以前の記事でも触れましたが、湿布の中には日光が当たるとかぶれる成分(光線過敏症)を含むものがあります。屋外でプレーする方で肌が弱い方には、塗り薬をおすすめすることもあります。

持病があって他の薬を飲んでいる方、妊娠中の方は、強い成分を自己判断で選ばず、薬剤師や医師に確認してから使ってください。

整形外科を受診する目安

「このくらいで受診していいのか」は、多くの方が迷うポイントです。一般的には、次のような場合に整形外科への受診が勧められています。

  • 安静にしていても痛みが続く、または痛みがだんだん強くなっている
  • 膝が腫れている、熱っぽい、赤みがある
  • 正座ができない、階段の上り下りがつらいなど、日常動作に支障が出ている
  • 膝がガクッと崩れる感じがある、引っかかる感じがある
  • 湿布やテープなどのセルフケアを2週間ほど続けても改善しない

特に、転倒やひねった直後に強い痛みが出た場合は、セルフケアで様子を見ず、早めに受診してください。靭帯や半月板の損傷が隠れていることもあります。

「年のせいだから」「このくらい我慢すれば」と受診を先延ばしにする方も多いのですが、早めに診てもらうことで、運動を続けながら痛みと付き合う方法が見つかることも多いです。

🎾 ウェアについて(お知らせ)

テープや湿布と同じく、体を動かしやすいウェアも膝や体への負担を減らす道具のひとつです。私はテニス・ピックルボール用に吸汗速乾のドライTシャツをデザインして「RALLY LION」というショップで販売しています。よかったらのぞいてみてください。

※筆者が運営するショップの紹介です。受注生産のため発送まで約2週間いただきます

まとめ:テープ・湿布は「サポート」、続く痛みは受診を

  • 運動を始めたばかりの膝の痛みは、湿布・塗り薬でのケアと「痛む動作を減らす」が基本。キネシオテープは動くときの支えとして
  • 湿布は強さで選び、かぶれる場合は塗り薬に切り替える
  • 腫れ・日常動作への支障・2週間以上続く痛みがあれば、整形外科を受診する
  • 転倒やひねった直後の強い痛みは、様子を見ずすぐに受診する

膝の痛みは、正しくケアすれば運動を続けながら付き合っていけることが多いものです。無理をせず、道具と体を上手に使ってください。

ピックルボールを始める前の準備はこちらの記事、肘の痛みについてはこちらの記事もあわせてご覧ください。

執筆:槇由紀子(調剤・訪問薬剤師 / 薬局経営 / 薬剤師歴20年以上 / テニス歴30年)—— 運営者情報

この記事は薬剤師が一般的な情報をお届けするものです。個別の症状や服薬については、必ず処方医・薬剤師にご相談ください。

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