ピックルボールは、テニスよりコートが狭く走る距離も短いため、年齢を問わず始めやすいスポーツです。ただし「軽い運動だから大丈夫」と油断して始めると、膝・腰の痛みと夏の脱水でつまずきやすいのも事実です。
私はテニスを30年以上続けてきた薬剤師で、最近ピックルボールも始めました。薬局の窓口では、運動を始めたシニアの方から膝や腰の痛み、湿布の相談を受けることがよくあります。
この記事でわかることは、次の3つです。
- ピックルボールが幅広い年齢層に向いている理由
- 始めたばかりの人に多い膝・腰の痛みと、湿布を使うときの注意点
- 夏の練習で気をつけたい脱水・熱中症対策
ピックルボールとは?テニス歴30年の薬剤師も始めました
ピックルボールは、卓球のラケットを大きくしたようなパドルと、穴のあいたプラスチックのボールを使うスポーツです。アメリカ生まれで、日本でも愛好者が増えています。
コートはバドミントンとほぼ同じ広さで、テニスコートよりずっと狭めです。走る距離が短く、ボールのスピードも緩やかなので、ラリーが続きやすく、初めてでもゲームになります。
わかりやすくたとえると、「テニスの楽しさはそのままに、体への負担を軽くしたスポーツ」です。テニスを30年続けてきた私も最近始めましたが、コートでは幅広い年代の方がいっしょにプレーしています。年齢や体力差があっても同じゲームを楽しめるのが、ピックルボールの大きな魅力です。
「軽い運動のはず」が膝・腰にくる理由
薬局の窓口では、運動を始めたシニアの方から「膝が痛い」「腰にきた」という相談や、湿布・痛み止めについての質問をよく受けます。
ピックルボールは走る距離こそ短いものの、低い姿勢で構えたり、前後左右に細かくステップを踏んだりする場面が多いスポーツです。久しぶりに運動をする体には、思った以上に太ももや膝、腰への負担がかかります。
だからこそ、始める前のひと工夫で差がつきます。準備運動で太もも・ふくらはぎ・肩をほぐしてから始める。終わったあとに軽くストレッチをする。それだけでも翌日の体はかなり違います。
湿布を使うときに気をつけたいこと
痛みが出たときに頼りになる湿布ですが、薬剤師として知っておいてほしい注意点があります。
- 成分によっては、貼った場所に日光が当たるとかぶれることがあります(光線過敏症といいます)。屋外コートでプレーする人は、貼った部位を衣服で覆うか、薬剤師に「日光に当たっても大丈夫な湿布はどれですか」と聞いてください
- 湿布にも痛み止めの成分が含まれています。飲み薬の痛み止めと併用するときや、ぜんそく・胃の持病がある方は、購入前に薬剤師に相談してください
- 冷感タイプと温感タイプは、心地よく感じる方を選んで問題ありません
そして大事なことをひとつ。湿布でしのぎながら痛みが数日以上続くときは、我慢せず整形外科を受診してください。湿布は痛みをやわらげるもので、原因を治すものではありません。
夏の練習は「のどが渇く前に」飲む
夏になると、薬局でも運動中の熱中症や脱水についての相談が増えます。
ピックルボールは体育館など屋内で行うことも多いスポーツですが、屋内でも湿度が高ければ汗はかなり出ます。「屋内だから大丈夫」とは考えないでください。
ポイントは、のどが渇いてから飲むのではなく、渇く前に飲むことです。
- プレー前にコップ1杯の水分をとる
- プレー中は15〜20分ごとに一口でも飲む
- 汗を大量にかいた日は、水だけでなく塩分も補給する
- めまい・立ちくらみ・頭痛を感じたら、すぐに休んで体を冷やす
環境省の熱中症予防情報サイトでは、暑さ指数(WBGT)が公開されています。夏の屋外練習の前にチェックする習慣をつけると安心です。
始める前のチェックリスト5つ
これからピックルボールを始める方は、次の5つを確認してください。
- 靴——ランニングシューズではなく、横の動きに対応したコートシューズ(テニスシューズなど)を選ぶ
- ウェア——汗を吸って乾きやすい素材(吸汗速乾)を選ぶ。綿のTシャツは汗で重くなり、汗冷えのもとになります
- 水分——飲み物をコートサイドに置いてから始める
- 準備運動——太もも・ふくらはぎ・肩を中心に、始める前に体をほぐす
- 持病のある方・薬を飲んでいる方——新しく運動を始めるときは、主治医やかかりつけ薬剤師にひとこと相談を
🎾 ウェアについて(お知らせ)
実は私自身、テニス・ピックルボール用に吸汗速乾のドライTシャツをデザインして「RALLY LION」というショップで販売しています。ライオンのワンポイントが目印の、練習にも普段着にも使えるTシャツです。よかったらのぞいてみてください。
- RALLY LION(BASE店)
- メルカリShopsでも「RALLY LION」で検索できます
※筆者が運営するショップの紹介です。受注生産のため発送まで約2週間いただきます
まとめ:無理なく始めれば、長く楽しめるスポーツ
- ピックルボールは走る距離が短く、年齢を問わず始めやすい
- ただし膝・腰には意外と負担がかかる。準備運動と、痛みが続くときの受診を忘れずに
- 湿布は日光でかぶれる成分があるので、屋外プレーの人は薬剤師に確認を
- 水分は「のどが渇く前に」。屋内コートでも油断しない
体への負担をコントロールしやすいスポーツだからこそ、最初の準備さえ間違えなければ長く楽しめます。まずは近くの体験会や自治体の教室から始めてみてください。
📚 出典・参考情報
執筆:槇由紀子(調剤・訪問薬剤師 / 薬局経営 / 薬剤師歴20年以上 / テニス歴30年)—— 運営者情報
この記事は薬剤師が一般的な情報をお届けするものです。個別の症状や服薬については、必ず処方医・薬剤師にご相談ください。


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