テニス肘・ピックルボール肘、湿布と痛み止めの使い分け

薬剤師が教えるテニス肘・ピックルボール肘の湿布と痛み止めの使い分け 運動と健康

テニス肘・ピックルボール肘の痛みには、まず外用薬(湿布・塗り薬)を使い、痛みが強い日だけ内服の痛み止めを併用するのが基本的な使い分けです。ただし、痛みが2〜3週間以上続くなら、薬でしのぐより先に整形外科を受診してください。

私の家族もテニス肘になったことがあります。薬剤師として、湿布とサポーターを勧め、痛みが引くまで無理はしないよう伝えました。この記事では、その実例をもとに、湿布と飲み薬の使い分け、サポーターの使い方、受診の目安をまとめます。

テニス肘・ピックルボール肘とは?同じ場所が痛くなる理由

テニス肘(正式には上腕骨外側上顆炎)は、手首や指を動かす筋肉が肘の外側に付着する部分で炎症が起きる状態です。ラケットでボールを打つ動作をくり返すことで、その付着部に小さな負担が積み重なり、痛みとして出てきます。

ピックルボールはテニスよりボールが軽く、パドルも短いのですが、手首を使う動作が多く、同じ場所に負担がかかります。「ピックルボール肘」と呼ばれることもあり、テニス肘と本質的には同じ仕組みです。

特徴的なのは、安静にしていれば痛まないのに、タオルを絞る・ドアノブを回す・パドルを握るといった動作で肘の外側がズキッとすることです。心当たりがあれば、テニス肘・ピックルボール肘の可能性があります。

家族がテニス肘になったときの対応

私の家族がテニス肘になったときは、次のように対応しました。

  • まず湿布を貼って様子を見る
  • プレーするときはエルボーバンド(サポーター)をつける
  • 痛みが強い日はプレーを休む

正直なところ、「フォームを直せば根本的に良くなる」と分かっていても、長年のクセを短期間で直すのは現実的に難しいものです。だからこそ、フォーム改善を強く求めるより、サポーターで負担を減らす・痛い日は休むという、今日からできる対策を優先しました。

そして、湿布で様子を見ても痛みが引かない、日常生活の動作でも痛むようになってきたら、そこが整形外科を受診するタイミングだと伝えました。

湿布?飲み薬?痛み止めの使い分け

薬局でよく聞かれるのが「湿布と飲み薬、どっちが効くの」という質問です。ベテラン薬剤師の視点では、次のように使い分けます。

湿布・塗り薬(外用) 飲み薬(内服)
効き方 痛む場所にピンポイントで効く 体全体に効くので、複数箇所の痛みにも対応
体への負担 比較的少ない 胃への負担や、他の薬との飲み合わせに注意が必要
向いている場面 日常のケア、軽い痛み 湿布だけでは足りないほど痛い日

基本の考え方は、まず湿布で様子を見て、それでも痛くてつらい日だけ飲み薬を足すという順番です。湿布と飲み薬を同時に毎日使い続けるのではなく、「今日はどのくらい痛いか」に合わせて使う量を調整するイメージを持ってください。

持病があって胃薬や血をサラサラにする薬を飲んでいる方、妊娠中の方は、痛み止めの内服を自己判断で始めず、薬剤師や医師に確認してから使ってください。

サポーター(エルボーバンド)の使い方

エルボーバンドは、肘の少し下(前腕)を軽く締めることで、筋肉の腱が肘に引っ張る力を分散させる道具です。「これをつけるとラクになる」という方は多く、私も家族に使うよう勧めました。

  • 痛む場所そのものではなく、肘から指2〜3本分下の位置に巻く
  • プレー中だけでなく、家事などで手首を使う場面でもつけると楽になることがある
  • きつく締めすぎると血流が悪くなるので、「軽く圧迫される」程度にする

サポーターは痛みを完全になくす道具ではなく、負担を減らして悪化を防ぐための道具です。つけているから大丈夫、と思って痛い動作を続けるのは避けてください。

整形外科を受診する目安

次のような場合は、湿布やサポーターで様子を見続けず、整形外科を受診してください。

  • 湿布を使っても2〜3週間以上、痛みが引かない
  • プレーしていないときも、物を持つ・タオルを絞るなど日常動作で痛む
  • 痛みがだんだん強くなっている、または肘が腫れている

「このくらいで病院に行くのは大げさかな」と思う方もいますが、早めに診てもらうことで、注射やリハビリなど的確な治療につながり、結果的に早く治ることも多いです。

🎾 ウェアについて(お知らせ)

サポーターや薬だけでなく、プレー中に体が動かしやすいウェアも、地味に負担を減らしてくれます。私はテニス・ピックルボール用に吸汗速乾のドライTシャツをデザインして「RALLY LION」というショップで販売しています。よかったらのぞいてみてください。

※筆者が運営するショップの紹介です。受注生産のため発送まで約2週間いただきます

まとめ:湿布→サポーター→それでもだめなら受診

  • テニス肘・ピックルボール肘は、手首を使う動作のくり返しで肘の外側に起きる炎症
  • 痛み止めは、まず湿布。つらい日だけ飲み薬を足す
  • サポーター(エルボーバンド)は前腕に軽く巻いて負担を減らす道具
  • 2〜3週間たっても引かない、日常動作でも痛むなら整形外科へ

「フォームを直せば」と分かっていても、すぐには変えられないのが現実です。まずは湿布とサポーターで負担を減らしながら、無理せず付き合っていく方法を考えてみてください。

ピックルボールを始める前の準備・脱水対策については、前回の記事もあわせてご覧ください。

執筆:槇由紀子(調剤・訪問薬剤師 / 薬局経営 / 薬剤師歴20年以上 / テニス歴30年)—— 運営者情報

この記事は薬剤師が一般的な情報をお届けするものです。個別の症状や服薬については、必ず処方医・薬剤師にご相談ください。

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