「ドラッグストアや薬局で、最近『ジェネリックに変えますか?』と聞かれる機会が増えた気がする」「先発薬を選ぶと、6月から薬代が上がると聞いたけど本当?」
調剤薬局・訪問薬剤師として13年以上働いてきた私が、今まさに患者さんに知ってほしい選定療養の仕組みと、ジェネリックについての正直な話をお伝えします。
この記事でわかること
- 選定療養とは何か・2026年6月から何が変わるか
- 具体的に薬代がいくら増えるのか
- 「ジェネリックは合わない」と感じたらどうすればいい?
- 薬剤師が伝えたいジェネリックの誤解
選定療養とは——先発薬を選ぶと差額を自己負担する制度
2024年10月から始まった「選定療養」という制度をご存じですか?ジェネリック医薬品(後発品)が存在するにもかかわらず、患者さん自身の希望で先発医薬品を選んだ場合、先発品とジェネリックの薬価の差額の一定割合を、保険とは別に自己負担するという仕組みです。
ただし、以下の場合は選定療養の対象外です。
- 医師が医療上の必要性を認めた場合(アレルギー・剤形の問題など)
- 薬局にジェネリックの在庫がない場合
- 先発品とジェネリックが同一価格の場合
2026年6月から自己負担が約2倍になる
これまでの選定療養では、先発品とジェネリックの薬価差額の4分の1が追加の自己負担でした。それが2026年6月の診療報酬改定から、2分の1(約2倍)に引き上げられます。
わかりやすく例で示します。
| 〜2026年5月 | 2026年6月〜 | |
|---|---|---|
| 先発品の薬価(1錠あたり) | 100円 | |
| ジェネリックの薬価(1錠あたり) | 60円 | |
| 差額 | 40円 | |
| 選定療養の追加負担 | 10円(差額の1/4) | 20円(差額の1/2) |
※上記に加え、ジェネリックの薬価分(60円)の通常の窓口負担(1〜3割)は別途かかります。また追加負担分には消費税も加算されます。
毎日飲む薬が複数ある方や、長期処方を受けている方にはじわじわと家計への影響が出てくる可能性があります。
「ジェネリックは合わない」と感じたら——薬剤師の本音
窓口でよくいただく相談が「ジェネリックに変えたら、なんか効き目が違う気がして…」というものです。
私のスタンスはシンプルで、「飲むのは患者さんご本人なので、まず一度試してみて、ダメなら戻しましょう」とお伝えしています。先発品に戻すことは、医師・薬剤師に相談すれば対応できます。
実際に、ジェネリックに切り替えた後に発疹が出た患者さんがいました。その方はすぐに先発品に戻し、症状も落ち着きました。「効かなくなった気がする」という声も、同じように先発品に戻した経験があります。
一方で、「安くなってよかった!」と喜んでいる患者さんも多くいます。同じ薬が安くなるのですから、経済的な恩恵は確かに大きいです。
ジェネリックで「合わない」が起きる理由
ジェネリックは有効成分(主成分)は先発品とまったく同じです。ただし、錠剤を形作るための添加剤(色素・結合剤・コーティング剤など)はメーカーによって異なる場合があります。
この添加剤の違いが、まれに体質に合わない原因になることがあります。ただしこれは「ジェネリックだから起きる」ことではなく、先発品でも同様に起こりうる話です。
「合わないかも」と感じたら、我慢せず遠慮なく薬剤師に伝えてください。一緒に対応を考えます。
ジェネリックについてよくある誤解
- ❌「ジェネリックは安い分、品質も劣る」→ ✅ 有効成分・効き目の同等性は国が審査して認可
- ❌「一度ジェネリックにしたら先発に戻せない」→ ✅ 医師・薬剤師に相談すれば戻せます
- ❌「先発を希望したら医師に嫌われる」→ ✅ アレルギーや体質の問題は正当な理由。遠慮なく相談を
服薬管理をもっと楽に
ジェネリックに変えて薬の種類や数が変わったタイミングで、服薬管理の方法も見直すのがおすすめです。壁掛けタイプのお薬カレンダーがあると、飲み忘れ防止と家族との情報共有に役立ちます。
市販薬を選ぶ際は、薬剤師に相談しながら自分に合ったものを見つけることが大切です。最近はオンライン薬局でも薬剤師に相談しながら購入できるサービスが増えています。忙しくて薬局に行けないときや、じっくり相談したいときに活用してみてください。
この記事は薬剤師が一般的な情報をお届けするものです。個別の症状や服薬については、必ず処方医・薬剤師にご相談ください。


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