医者に「運動してください」と言われた。何から始めればいい?薬剤師が正直に答えます

処方薬・病気のこと

「先生に運動するよう言われたんですけど、何をすればいいんですかね?」

薬局で処方箋をお受けする際に、こういった質問をいただくことがあります。

でも、続きがあるんです。

「でも、腰が痛くてねえ」「足が悪いから、なかなかね」

運動しなきゃいけないとは分かっている。でも何をすればいいか分からない。さらに、体のどこかが痛かったり不安で、普通に走ったりできない——。

そういう方に向けて、薬剤師の立場から正直にお伝えします。

「運動してください」って、具体的に何をすればいいの?

医師から「運動してください」と言われても、何をどのくらいやればいいか教えてもらえないことがほとんどです。

目安として、多くのガイドラインが推奨しているのは次のような内容です。

  • 有酸素運動(ウォーキングなど):週150分以上、または1日30分×5日
  • 強度:「少し息が上がるが会話はできる」程度(ハードである必要はない)
  • 筋トレ:週2回程度あわせて行うとより効果的

「1日30分のウォーキング」が基本の目安です。マラソンや激しいスポーツをする必要はありません。

ただし、これはあくまで健康な体で動ける場合の目安です。腰や膝、足に痛みや不安がある方は話が変わってきます。

「腰が痛い」「足が痛い」人はどうすればいい?

薬局でよく聞くのが、「運動したいけど腰が痛くて」「膝が悪くて長く歩けなくて」という声です。

これは珍しいことではありません。運動を勧められる中高年の方に、腰痛・膝痛・足の不調は非常に多い。でも、だからといって「運動できない」とあきらめる必要はないんです。

腰や膝に負担をかけずにできる運動はあります。水中ウォーキング、椅子に座ってできる筋トレ、ストレッチから始める方法など——ただ、それを自分一人で正しく判断するのは難しいです。

間違ったフォームで運動を続けると、痛みが悪化することもあります。痛みがある方ほど、最初の「何をやるか」の選択を誤ってはいけません。

薬を飲みながら運動しても大丈夫?

血圧や血糖の薬を飲んでいる方から、この質問を受けることもあります。

基本的には、医師が「運動してください」と言っている場合、内服中でも運動は問題ありません。むしろ、運動によって薬の効果をサポートできることが多いです。

一点だけ注意が必要なのは、利尿薬や降圧薬を飲んでいる方が激しい運動をする場合です。脱水や血圧の急激な低下に気をつける必要があります。「ゆっくり、無理なく」が鉄則です。

心配な場合は、かかりつけの薬剤師か医師に「今飲んでいる薬で、運動の注意点はありますか?」と聞いてみてください。

一人で始めても続かない、本当の理由

「ウォーキングを始めてみたが3日で終わった」「ジムに入会したが行かなくなった」という方は多いです。

これは意志の問題ではなく、「何をどのくらいやればいいかが自分でわからない」からです。

目標が曖昧なまま始めると、「これでいいのか?」という不安が続きます。効果が出ているのかも分からない。そのうち足が遠のく。

もうひとつ、体に痛みや不安がある方は「これをやっていいのか?」という迷いが毎回起きます。誰かに確認できる環境がなければ、だんだん怖くなってやめてしまいます。

医者に言われたのに続けられなかった人がやり直せる方法

一人でウォーキングを続けることが難しかった方、体に痛みがあって何をすればいいかわからない方に、私が正直におすすめしたいのがパーソナルトレーニングです。

パーソナルトレーニングの最大のメリットは、「自分の体の状態に合わせたプログラムを作ってもらえる」ことです。

  • 腰や膝が痛い方には、負担をかけない動きから始めてもらえる
  • 「どのくらいやればいいか」が毎回明確になる
  • 一人でやるより、体の変化が見えやすい
  • 「次に来る約束がある」から続く

「医者に運動してと言われたが何から始めればいいかわからない」「体が痛くて普通の運動が怖い」という方にこそ、最初の一歩はプロと一緒に踏み出すことをすすめます。

🏋️ 体の状態に合わせたパーソナルトレーニング

腰・膝が痛い方、運動未経験の方、医師から運動を勧められた方向けのプログラムがあります。一人で抱え込まず、プロと一緒に始めてみてください。

※持病や服薬中の方は、運動開始前にかかりつけ医にご相談ください。

薬剤師からひとこと

「痩せたら血圧と血糖の数値が下がったんですよ」——薬局でそう報告してくれた患者さんの言葉が、今も記憶に残っています。

薬が効いているのはもちろん。でも「体が動くようになって、自分で変えられた」という実感が、その方の表情を明るくしていました。

薬は数値を管理するための道具です。でも、運動と組み合わせることで、薬の量を減らせたり、より安定した体になれる可能性があります。

医者に「運動して」と言われた日を、変わるきっかけにしてほしいと思います。何から始めればいいかわからないなら、一人で考えなくていいです。

監修者:槇由紀子(調剤・訪問薬剤師 / 薬局経営 / 薬剤師歴13年以上)
情報は執筆時点のものです。運動の開始にあたっては、かかりつけ医・薬剤師にご相談の上、無理のない範囲で行ってください。

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