ロキソニン・バファリン・イブの違いと使い分け

市販薬の選び方

「頭が痛いとき、ロキソニンとバファリンどっちがいい?」「イブとロキソニンって何が違うの?」

薬局でよく聞かれる質問ナンバーワンといっても過言ではありません。市販の痛み止めは種類が多くて、どれを選べばいいか迷いますよね。

薬剤師として長年患者さんと向き合ってきた私が、この3つの痛み止めの違いと正しい使い分けをわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • ロキソニンS・バファリンA・イブ(EVE)の成分の違い
  • 症状・状況別のおすすめの選び方
  • 飲んではいけない人・注意が必要な人
  • 市販の痛み止めを使うときの注意点

3つの痛み止め、成分はこんなに違う

ロキソニンS|強さと速効性が特徴

主成分はロキソプロフェン(60mg)です。病院で処方される「ロキソニン錠」と同じ成分で、市販薬の中では特に効き目が強く、速いのが特徴です。

体の中で「痛みや熱を引き起こす物質(プロスタグランジン)」が作られるのをブロックすることで、痛みや発熱を抑えます。

ロキソニンSは「飲んだあと、腸で吸収されてから初めて体の中で効く形に変わる」仕組みになっています。このため薬が胃を直接刺激しにくく、胃への負担がやや少ないとされています。ただし、血液に入ってから「痛み・熱を引き起こす物質」を止める働きは、胃を守る物質も一緒に減らしてしまうため、胃への影響がゼロになるわけではありません。

向いている症状:歯痛・生理痛・腰痛・関節の痛み・発熱を伴う頭痛など、しっかり効かせたいとき

注意:15歳未満の子どもには使用できません。

バファリンA|胃にやさしい定番

主成分はアスピリン胃を守る成分の組み合わせです。アスピリンが痛み・発熱を抑え、一緒に入っている胃を守る成分が胃への刺激をやわらげます。

ただし、炎症を抑える効果はロキソニンSやEVEと比べると弱めです。バファリンAで炎症の強い痛みを抑えるには、含まれているアスピリンの量(330mg)では不十分なことが多く、生理痛・腰痛・歯の炎症など「炎症が原因の痛み」には不向きです。頭痛や発熱には一定の効果がありますが、「胃にやさしい」という特徴が選ばれる主な理由です。

「バファリン」という名前の製品にはいくつか種類がありますが、昔からある「バファリンA」はアスピリン系です。

向いている症状:頭痛・発熱など。胃が気になる方に選ばれます。炎症を伴う痛み(生理痛・腰痛・関節痛など)にはロキソニンSかEVEのほうが向いています。

注意:15歳未満の子どもには使えません。アスピリンは子どもが飲むと、まれに脳や肝臓に深刻なダメージを与える「ライ症候群」という病気を引き起こすことがあるため、特に注意が必要です。また、血液をサラサラにする薬(ワーファリンなど)を飲んでいる方は、一緒に飲むと出血しやすくなることがあるので必ず医師・薬剤師に相談してください。

イブ(EVE)|頭痛のCMでおなじみの市販薬

代表的な「EVE A錠」の主成分はイブプロフェン(150mg)です。「頭痛にEVE」のCMで広く知られていますが、頭痛だけに特化した薬ではありません。

痛みや熱を引き起こす物質を止める仕組みはロキソニンSと同じです。ただし、EVE A錠のイブプロフェンは150mgと比較的少ない量で、ロキソニンSより効き目は緩やか。「強い痛みにがっつり効かせる」よりも「まず試してみる入門的な選択肢」として使いやすい印象があります。

なお、「EVEは眠くなりにくい」というのはCMのイメージで、3つの中でとくに眠くなりにくいという医学的な根拠はありません。眠気は3つとも、まれに出ることがある副作用として同じくらいです。

向いている症状:頭痛・生理痛・歯痛・発熱。ロキソニンSで効き過ぎると感じる方や「まず穏やかに試したい」方にも選ばれます。「ロキソニンが効かなかった・合わなかった」場合に試す価値もあります(逆も然り)。

注意:市販のEVEは15歳未満には使用できません。なお、病院で処方されるイブプロフェン(ブルフェン錠など)は医師の判断で子どもに使われることがありますが、市販薬のEVEを代わりに与えることは絶対にしないでください。

症状・状況別:どれを選ぶべき?

状況・症状おすすめ理由
頭痛(軽〜中程度)EVE / バファリンA効き目のバランスが良い
頭痛(強い・早く効かせたい)ロキソニンS速く強く効く
生理痛ロキソニンS / EVE炎症による痛みを抑えるのが得意。バファリンAは炎症への効果が弱いため不向き
歯痛・腰痛(炎症が原因)ロキソニンS / EVE炎症を伴う痛みに強い。バファリンAは不向き
発熱いずれも可3つとも熱を下げる作用あり
胃が弱いバファリンA胃を守る成分が配合されている
子ども(15歳未満)市販の3つはすべて使用不可子どもの解熱・鎮痛は必ず医師に相談を。※病院処方のイブプロフェンは医師の判断で使われることがある

飲んではいけない人・要注意の人

3つすべてに共通する注意点

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍のある方:3つとも「痛みや熱を引き起こす物質」を止めることで、胃を守る働きも一緒に弱めてしまいます。胃が荒れている方は悪化する可能性があります
  • 腎臓・肝臓が悪い方:飲んだ薬を体が処理しにくくなり、薬が効きすぎたり副作用が出やすくなります
  • 15歳未満の子ども:市販の3製品はすべて使用不可。子どもの解熱・鎮痛は必ず医師に相談してください
  • 妊娠中の方:特に妊娠後期(お腹の赤ちゃんが大きくなる時期)は使用禁止。妊娠中は必ず医師・薬剤師に相談を
  • ほかの痛み止めを飲んでいる方:同じような成分が重なって、効きすぎたり副作用が出やすくなる可能性があります

ロキソニンS・EVEに特有の注意

  • 喘息の持病がある方:一部の方で、飲んだあとに喘息の発作が起きることがあります。喘息がある方は必ず薬剤師に相談してから選んでください
  • 血液をサラサラにする薬(ワーファリンなど)を飲んでいる方:出血しやすくなることがあります

市販の痛み止めを使うときの3つのポイント

① 空腹時は避ける

いずれの痛み止めも、空腹時に飲むと胃への刺激が強くなります。食後30分以内か、軽く何か食べてから飲むようにしましょう。

② 水かぬるま湯で飲む

コーヒー・緑茶・アルコール・グレープフルーツジュースは、薬の吸収や効き目に影響を与えることがあります。必ずコップ1杯(180〜200ml)の水かぬるま湯で飲んでください。

③ 「痛くなる前に飲む」は慎重に

「頭痛になりそうだから早めに」と習慣的に飲み続けると、「薬を飲みすぎたことで逆に頭痛が増える」状態になることがあります(薬物乱用頭痛といいます)。頭痛が月10日以上続く方は、専門の病院への相談をおすすめします。

まとめ:迷ったら薬剤師に聞いてください

ロキソニンS・バファリンA・EVEは、それぞれ成分が違い、向いている症状も少し異なります。大まかには:

  • 急性の強い痛み・早く効かせたい → ロキソニンS(効き目が強く速い)
  • まず試したい・比較的軽い痛み → EVE(効き目が緩やか・入門的な選択肢)
  • ロキソニンが効かない・合わなかった → EVE、またはその逆も試してみる(個人差が大きい)
  • 胃が気になる → バファリンA(胃を守る成分が配合されている)

ただし、持病やほかの薬との飲み合わせによっては選択が変わります。「どれがいいかな?」と迷ったときは、ぜひ薬局の薬剤師に相談してみてください。選ぶお手伝いをするのが薬剤師の仕事ですから、遠慮なく声をかけてください。


この記事は薬剤師が一般的な情報をお届けするものです。個別の症状や服薬については、必ず処方医・薬剤師にご相談ください。

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