「お変わりありませんか?」
「……はい」
「では、同じお薬を出しておきますね」
診察室に入って、出てくるまで5分もかかっていない。
処方箋を受け取りながら、「あれ、これでよかったのかな」とぼんやり思う。
本当は、もっと話したいことがあったのに。
そう感じながら帰り道にスマホを開いて、検索した方がいるかもしれません。
この記事は、そういう方のために書きました。
あなたの感じていることは、おかしくありません。
「5分診療」は、あなたのせいではない
精神科・心療内科の診察が短い理由は、あなたの話が「聞く価値がない」からではありません。
日本の保険診療の構造上、1人にかけられる時間に限界があるのです。
精神科の外来では、1時間に8〜10人を診ることもあります。
「ゆっくり話を聞く」より「処方を管理する」ことが、診療の中心になりやすい現実があります。
薬剤師として、処方箋を持ってくる患者さんの様子を見てきました。
訪問薬剤師として患者さんのご自宅に伺うと、
「先生、あんまり話を聞いてくれなくて」
「この前の診察、5分で終わったんです」
という言葉をよく耳にします。
そのとき、私にできることは限られています。
「そうですか……」と相槌を打つことしかできない場面が、正直たくさんありました。
処方された薬の説明はできます。でも、その方の「話したかったこと」を受け取る時間も、仕組みも、訪問薬剤師にはありません。
それがずっと、引っかかっていました。
精神科の「薬」とカウンセリングの「話す」は、そもそも別のもの
多くの方が知らないのですが、精神科(医師)とカウンセラーは、役割がまったく異なります。
| 精神科・心療内科(医師) | カウンセリング(心理士など) |
|---|---|
| 診断・薬の処方 | 話を聞く・心理的なサポート |
| 保険診療(数分〜15分程度) | 自由診療(50分〜60分が標準) |
| 薬で症状を管理する | 気持ちや考えを整理していく |
「話を聞いてほしい」という気持ちを精神科の先生にぶつけても、
構造的に難しい場合があります。それは先生のせいでも、あなたのせいでもありません。
「薬だけじゃない」と感じているなら、それは正直なシグナルです
薬は、症状の波を和らげてくれます。でも「なぜこうなったのか」「どう生きていきたいのか」は、薬では答えられません。
「薬は飲んでいる。でも何かが足りない気がする」
そう感じているとしたら、その感覚はとても大切です。
それは「もっとちゃんとサポートを受けていい」というサインかもしれません。
「話を聞いてもらう場所」を、別に作るという選択肢
精神科への通院は続けながら、「話す場所」を別に持つ方法があります。
オンラインカウンセリングは、自宅にいながら、50〜60分かけて話を聞いてもらえるサービスです。
「精神科の先生には言いにくいこと」「薬の疑問」「日常のしんどさ」——そういった話ができる場所として使う方が増えています。
💬 オンラインカウンセリング【Kimochi】
臨床心理士・公認心理師が対応。「誰かに話を聞いてほしい」「薬のこと・通院のこと相談したい」という方に。スマホから予約できて、自宅で受けられます。
※精神科・心療内科の受診を代替するものではありません。
薬剤師からひとこと
訪問薬剤師として精神科の薬を飲んでいる方のご自宅に伺うと、
一人暮らしの方が多く、「今日、誰かと話したのは私が初めてだったのかもしれない」と感じることがあります。
「薬局に来たとき、少し話せてよかった」と言ってくださった方もいました。
うれしい反面、それが切なくもありました。
本来なら、薬の受け渡しのついでではなく、ちゃんとした時間と場所で話を聞いてもらえるべきなのに、と。
何年も精神科の薬を飲み続けている患者さんを前に、
「薬だけで、本当にこの方は大丈夫なのだろうか」と感じたこともあります。
薬は症状を抑えてくれます。でも「誰かに話を聞いてもらう」ことは、薬には代わりができません。
「話を聞いてもらえない」と感じているあなたの違和感は、正しいと思います。
その気持ちのまま今の場所に居続けなくていい。
「話す場所」を、別に作っていい。
監修者:槇由紀子(調剤・訪問薬剤師 / 薬局経営 / 薬剤師歴13年以上)
情報は執筆時点のものです(2026年)。精神科・心療内科の受診については必ず専門医にご相談ください。

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