GLP-1の注射と飲み薬——どっちを選ぶ?薬剤師が違いと副作用を解説

処方薬・病気のこと

「注射が怖くて……飲み薬ってないんですか?」

GLP-1の薬を調剤していると、そう聞かれることがあります。あるいは逆に「もう飲み始めたんですが、なんか気持ち悪くて」という相談も。

GLP-1受容体作動薬には注射薬と飲み薬があります。この記事では、それぞれの特徴・違い・副作用について薬剤師の立場から解説します。

そもそもGLP-1とは

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事をとると腸から分泌されるホルモンです。インスリンの分泌を促して血糖を下げ、食欲を抑える作用があります。

この作用を利用した「GLP-1受容体作動薬」は、もともと2型糖尿病の治療薬として使われてきましたが、体重を減らす効果も注目され、肥満症の治療薬としても承認されています。

注射薬の種類と特徴

現在、日本で使用されているGLP-1注射薬の主なものは次のとおりです。

  • セマグルチド(オゼンピック)——週1回の皮下注射。糖尿病・肥満症に使用。
  • チルゼパチド(マンジャロ)——週1回の皮下注射。GLP-1とGIPの両方に作用するデュアルアゴニスト。
  • リラグルチド(ビクトーザ)——毎日の皮下注射。2型糖尿病の治療薬。

「皮下注射」といっても細い針のペン型デバイスを使うため、思ったより痛みが少ないと感じる方も多いです。ただし自己注射に慣れるまでの練習は必要で、薬剤師から手技の説明を受けてから使い始めます。

飲み薬(経口薬)の特徴

リベルサス(経口セマグルチド)

注射薬のオゼンピックと同じ成分を飲み薬にしたものです。ただし、起床直後に水少量(120mL以下)で服用し、30分間は飲食・他の薬の服用を避けるという服用ルールがあります。食事の影響を大きく受けるため、この手順を守ることが薬の効果に直結します。

オルフォグリプロン(承認申請中・2026年5月時点)

現在承認申請が進む新しい経口GLP-1薬です。食事の影響を受けにくいという特徴があり、2026年中の承認が期待されています。

副作用——「吐き気」についてよく聞かれます

GLP-1薬を調剤していると「使い始めから気持ち悪い」という相談を受けることがあります。

GLP-1受容体作動薬でよく見られる副作用はこちらです。

  • 吐き気・嘔吐(特に使い始め・用量を増やしたとき)
  • 食欲低下
  • 下痢・便秘
  • 腹痛・胃もたれ

多くの場合、数週間で慣れてくることが多いです。ただし「つらくて続けられない」場合は用量を調整する方法もあります。我慢せず、処方した医師か薬局に相談してください。

注射 vs 飲み薬——どちらが向いている?

注射薬 飲み薬(リベルサス)
投与頻度 週1回〜毎日 毎日
服用ルール 冷蔵保存が必要なものも 起床直後・水120mL以下・30分飲食禁止
向いている人 飲み薬のルールが守りにくい人 注射が苦手な人

「どちらが確実か」より、自分が続けやすいほうを選ぶことが大切です。医師と相談して決めましょう。

オンライン診療という選択肢

GLP-1薬は医師の処方が必要です。通院が難しい方、まず相談してみたい方には、スマートフォンから受診できるオンライン診療も選択肢のひとつです。

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※処方はすべて医師の判断によります。自己判断での服用はしないでください。

薬剤師からひとこと

「注射が怖い」と感じるのは自然なことです。飲み薬なら始めやすいという方も多いですが、その分、服用ルールを守ることが薬の効果に直結します。

吐き気などの副作用で困ったときは、我慢しないでください。用量の調整や、服用タイミングの工夫で対処できることもあります。薬局の窓口にぜひ声をかけてください。

監修者:槇由紀子(調剤・訪問薬剤師 / 薬局経営 / 薬剤師歴13年以上)
情報は執筆時点のものです(2026年5月)。服薬については必ず薬剤師または医師にご相談ください。

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